「ドローンの資格、何を取っていいのかわからない」「規制がわからなくてどこで飛ばしていいかわからない」と、迷ってるのならとにかくドローン検定3級を取ってしまいましょう。ドローンインストラクターを目指し検定3級を取得して野外飛行を楽しんでいる私が、ドローン検定3級の「基礎力学」についてお伝えします。ドローン検定3級の資格取得のお手伝いができればうれしく思います。
無人航空従事者試験3級4級標準テキストをお持ちの方は一緒に
速度と加速度
さてと、数学の苦手な人は嫌な科目です。
速度・・・物体が一定の時間にどのくらい移動できるかを表す量。「等速直線運動」
速度[m/s] = 距離[m] ÷ 時間[s] という公式となります。
展開させて、距離[m] = 時間[s] ✕ 速さ[m/s] になります。
3級では出るところです。
頑張って覚えて。
加速度・・・物体が一定の時間にどれくらい速度が変化するかを表す量。「等加速度運動」
加速度[m/s²] = (速度[m/s] - 初速度[m/s]) ÷ 時間[s]
速度[m/s] = 加速度[m/s²] ✕ 時間[s] + 初速度[m/s]です。
加速する物体の移動量
速度を求める
100mを20秒で走ると速度は? ・・・ 5m/sとなります。
速度[m/s] = 距離[m] ÷ 時間[s]
5m/s = 100m ÷ 20秒
加速度を求める
5m/sの人が2m/s²の加速度で加速したとき5秒の速度は? ・・・ 15m/sです。
加速度[m/s²] = (速度[m/s] - 初速度[m/s]) ÷ 時間[s]
2m/s² = ( ? - 5m/s ) ÷ 5秒
2m/s² ✕ 5秒 + 5m/s = 15m/s
P.82のグラフ 「グラフからもわかるように」
わかんないよ~
まずはこの2つのグラフは濃い部分の面積を求めると移動距離になることを理解しなくてはなりません。そして左上のグラフは等速運動を表してます。
時間[s] ✕ 速度[m/s] = 距離[m]
5秒 ✕ 10m/s = 50m
10秒 ✕ 10m/s = 100m
長方形の求める式と同じだということが理解できるでしょうか。
次に真ん中右のグラフは等加速度運動のグラフです。だんだん早くなるため時間とともに速度は変化します。
初速度(スタート時の速度)がない場合、0秒の時は速度0m/sなので加速度が1[m/s²]の時を深掘りしてみましょう。
秒[s] | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ~ | 10 |
速度[m/s] | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ~ | 10 |
移動距離[m] | 0 | 0.5 | 2 | 4.5 | 8 | 12.5 | ~ | 50 |
加速度が1m/s²の場合は 時間 = 速度 となるのでわかりやすく、三角形を求める公式と同じことがおわかりでしょうか?
等加速度運動をした時の距離の求める
式A ・・・ 距離[m] = 1/2 ✕ 速度[m/s] ✕ 時間[s]
その時の速度は等加速度運動しているので,例えば加速度3[m/s²] 秒[s] 0 1 2 3 4 5 ~ 10 加速度[m/s²] 3 3 3 3 3 3 ~ 3 速度[m/s] 0 3 6 9 12 15 ~ 30
1秒ごとに速度が上がっていきます。
式B ・・・ 速度[m/s] = 加速度[m/s²] ✕ 時間[s]
さらに[式A] の速度[m/s]に [式B] を代入 ↓
式A ・・・ 距離[m] = 1/2 ✕ 速度[m/s] ✕ 時間[s]
↓
式C ・・・ 距離[m] = 1/2 ✕ 加速度[m/s²] ✕ 時間[s] ✕ 時間[s]
と、なります。
わかるまで例題をやってみましょう。そこで問96を参考に解いてみます。
静止している物体が、等加速度6m/s²で3秒後の移動距離は?
?m = 1/2 ✕ 6m/s² ✕ 3秒 ✕ 3秒
?m = 27m
まだ、わかりにくい。
オリジナルの問題を
静止している物体が、 等加速度6m/s²で5秒後の移動距離は?
?m = 1/2 ✕ 6m/s² ✕ 5秒 ✕ 5秒
?m = 75m
次は少し難しく。
初速度が0(ゼロ)の物体に、同じ方向で6[m/s²]の加速度を加えて移動させた場合、
加速度を加えて5秒後に物体は何[m]移動するか選びなさい。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
そうです。 答えは75m 上の問題を難しく出題しただけです。読み解ければ公式に入れるだけです。頑張りましょう。
重力
あなたにも飛行中のドローンも常に地球に引っ張られています。そのことを重力と言います。
正確には地球の中心に引っ張られる力(万有引力)から自転による遠心力を引いた力が重力です。
この重力は、一定の加速度を生み出します。これを「重力加速度」と呼びます。その値は 「9.8m/s²」 です。例えば、手に乗せたものをそのまま勢いをつけずに落とした場合 初速度が0m/s²になります。このような初速度が0m/s²の落下を「自由落下」と呼びます。上の「式B」の加速度を重力加速度に置き換えることができます。
自由落下の計算式
落下式B ・・・ 速度[m/s] = 重力加速度[m/s²] ✕ 時間[s]
落下式C ・・・ 距離[m] = 1/2 ✕ 重力加速度[m/s²] ✕ 時間[s] ✕ 時間[s]
落下式Cの距離は、当然落下なので高さになります。
落下式C ・・・ 高さ[m] = 1/2 ✕ 重力加速度[m/s²] ✕ 時間[s] ✕ 時間[s]
ん? これ時間を求めるには √ (ルート)の計算だな。
重力加速度で時間を答える問題
奥の手を教えます。
とはいいつつ、解き方を解説します。落下式Cより落下時間を求める式 時間[s] = √2✕高さ/9.8 となります。
とにかく例題 テキストの問100をやってみましょう
高さ44.1[m]のビルの屋上から、ボールを自由落下させた場合
地上に衝突するまでにおおよそ何秒かかるか選びなさい。
ただし、空気抵抗はないものとする。また重力加速度は、9.8[m/s²]とする。
時間 = √2✕44.1/9.8
時間 = √88.2/9.8 = √9 = 3
答え = 3[s] となります。
この問題、丸暗記しておこうかな。
時間[s]を整数にするために、出題される問題の高さがパターン化してます。そこで、こんなものを作ってみました。活用してみてください。
高さから求める重力加速度[m/s²]による時間[s]の丸暗記
高さ | 時間[s] | |
19.6m | √4 | 2 |
44.1m | √9 | 3 |
78.4m | √16 | 4 |
122.5m | √25 | 5 |
176.4m | √36 | 6 |
240.1m | √49 | 7 |
313.6m | √64 | 8 |
水平投射
さて、ここまでくると苦手意識も少なくなってきたでしょうか?ここでは、初めの「速度を求める」と先ほどの「自由落下」の合わせ技です。イメージで言うと崖の上から水平方向(真横)へ、バズーカ砲でボールを撃つ感じです。このことを「水平投射」と呼びます。
本来なら空気抵抗で等速直線運動は減速するのですが、ここでは減速の計算はしません。
ここでも、テキストの問103をやってみましょう。
高度176.4[m]を、5[m/s]の速度で水平飛行している機体が、トラブルにより揚力のない状態で落下を始めた。この機体は、落下開始地点から水平におおよそ何[m]進み地上に衝突するのか選びなさい。ただし、空気抵抗はないものとし、重力加速度は9.8[m/s²]で計算する。
水平投射であっても自由落下は同じなので、上の暗記表から時間は6[s]であることがわかります。
この6[s]に、水平方向の速度を掛けると距離が出ます。
5[m/s] ✕ 6[s] = 30m となります。
答えは 30m です。
少しでも、苦手意識が減ることになればうれしく思います。
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